処置・手技

CADD Legacy(在宅用PCAポンプ)の設定・操作方法ー設定の実際

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こんにちは。 Dr.Noriです。

具体的に在宅医療には欠かせないCADD Legacy(在宅用PCAポンプ)の設定や操作方法を解説していきます。

今回は、機械の設定についてです。Smith Medicalさんのマニュアルの画像も提示します。

CADD Legacy(在宅用PCAポンプ)の設定方法ー設定項目を理解する
CADD Legacy(在宅用PCAポンプ)の設定方法の基本も参考にしてみてください。

動画の解説はこちらです。
動画で解説ーPCAポンプ(CADD Legacy)の操作方法

CADD Legacyの設定方法
  1. カセットを装着する
  2. 電池を入れる
  3. スクロールを押して設定を確認する
  4. カセットの大きさを設定する
  5. 単位を確認する
  6. 投与速度(流量)を設定する
  7. ドーズ量を設定する
  8. ロックアウトタイムを設定する
  9. 時間有効回数を設定する
  10. ドーズ有効回数をリセットする
  11. ドーズ回数をリセットする

カセットの交換と電池交換

電源がoffになっている状態で行います。offになっていないとアラームが鳴ります。

カセットを交換するときは電池も一緒に交換することをオススメします。電池の向きを間違えないように気をつけましょう。

右脇の鍵穴に専用の鍵を挿入し回すと簡単にカセットが外れます。
カセットと機械の接していた部分はセンサーがあるので、手で触らないように気をつけましょう。

新しいカセットを左側の爪を機械に引っ掛けて、カセットが機械に密着するように右側を押し付けながら鍵を回してカセットを機械に固定します。

余談ですが、カセットに接続する延長チューブは専用のものを使用します(専用のものでなければ接続できません)。その時に向きに気をつけます。逆向きに接続すると流れにくくアラームが鳴ることがあります。

電源を入れ、スクロールをしながら設定する

電源を入れると機械が自働でセルフチェックをします。「ピーピーピー、ピーピピー」という音が出ればセルフチェックは終了です。

セルフチェックが終了すると「スクロール」ボタンを押して設定画面を表示することが出来ます。「スクロール」ボタンを押して設定項目を表示させましょう。

カセットの大きさ「リザーバ容量」を設定する

初回やリザーバ(カセット)の大きさを変更した場合に設定します。カセットは50ml、100m、250mlがあります。右列にある上下ボタンを押して装着しているカセットの多きさを設定します。長押しをすると数字が早く動きます。

カセットの大きさの数字を表示できたら真ん中の上にある「入力」ボタンを押します。これで保存されます。保存ができたら「スクロール」を押します。

投与単位を設定する画面が出ますが「ミリリットル」であることを確認できたら「スクロール」ボタンを押します。(ミリリットル以外を選択した場合は薬液濃度の設定画面が表示され設定しなければなりません)

投与速度とドーズ量を設定する

右の上下ボタンを押して投与速度を設定し、「入力」ボタンを押します。投与速度は0.1ml/hrずつ調整することができます。

皮下投与の場合は0.1〜0.4ml/hr程度までが実際の流量と思います。これより多いと皮下で硬結ができたりして吸収が十分でなくなり薬液の効果が得られない可能性があります。

ドーズ量は、通常投与速度と同量に設定することが通常です。ドーズ量は投与速度と異なり0.05mlきざみで設定出来ます。

 

ロックアウトタイムと時間有効回数を設定する

ロックアウトとは、レスキュードーズの間隔のことです。通常レスキュードーズが投与されてから麻薬の効果が出現するまでに15分程度かかります。

頻回にレスキュードーズのボタンを押して、そのたびに薬剤が投与された場合、過量となる可能性があるため、一定の間隔より短い場合に薬剤が投与されないようにする機構です。つまり最短投与間隔という意味です。
疼痛の状態にもよりますが、15分から30分程度で設定することが通常です。

ロックアウトタイムは投与間隔ですが、1時間あたり何回までの投与を可能とするかが、時間有効回数です。

例えばロックアウトタイムを15分に設定した場合、15分毎毎回の与薬を可能とするのであれば、時間有効回数を4回(60分÷15分)とします。ロックアウトタイムが30分であれば時間有効回数は2回となります。
ロックアウトタイムを30分で設定して、時間有効回数を3回には設定できません。

ドーズ回数とドーズ有効回数をリセットする

カセット交換前までにレスキュードーズボタンが押され回数を「ドーズ回数」といい、そのうち、実際に薬液が投与された回数を「ドーズ有効回数」と言います。

 

ドーズ有効回数を見ると、実際に投与された薬液の量を推定できます。

 

ここから先は「気泡検知」や「閉塞検知」「閉塞検知感度」の設定画面が表示されますが、通常初期設定されていますので、気にせず「スクロール」ボタンを押して問題ありません。

設定は以上です。

あとはプライミングをしてからロックレベルを変更してスタートで完了です。
CADD Legacy(在宅用PCAポンプ)のプライミングのやり方

動画で解説ーPCAポンプ(CADD Legacy)の操作方法

 

このブログでは在宅医療に関わる看護師や薬剤師、介護する家族だけでなく病院で退院調に関わる方にも役立つ情報を紹介することを目的としています。
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